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 エルバーフェルト日記

  ドイツ語圏の文化・思想にさわるブログ!  「Sehnsucht といふ語はドイツ民族が産んだ言葉であつて、ドイツ民族とは有機的関係をもつてゐる」  九鬼周造

ヴッパータール人

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現在、ピナ・バウシュや懸垂式モノレールでしられるドイツの町、ヴッパータール・エルバーフェルトで、ドイツ文学を学問中。

2007年10月より、ドイツ学術交流会(DAAD)の奨学金をえて、大学でミヒャエル・シェッフェル教授に師事しながら、博士論文を執筆しています。テーマは、シュニッツラーの詩学です。
July 03

『石原莞爾のヨーロッパ体験』

 伊藤嘉啓著 『石原莞爾のヨーロッパ体験』 (芙蓉書房 2009年6月)
 
<若き日にドイツ留学した石原莞爾 彼はそこで何を考え、何を学んだのか ドイツに向かう船上から、そしてポツダム、ベルリンから、毎日のように妻にあてて書いた膨大な手紙から浮かび上がるもう一つの石原莞爾像>
 
目次・内容
 
異色の日本人(序に代えて)
 
第一章 石原莞爾の人間像
東京裁判酒田臨時法廷に立つ石原/破天荒な軍人/単なる軍人にとどまらない「文」の人/石原はなぜ日蓮に惹かれたのか
 
第二章 ドイツへの船旅 その一
◆ドイツ留学と妻への手紙
神戸から香港へ/「新時代の新人」を自認する石原/随所に見られる西洋人批判/シンガポールからセイロン島へ
 
第三章 ドイツへの船旅 その二
◆妻への労りの手紙
エジプトに到着/ポートサイドからマルセーユまで/パリでオペラを観る/和服姿で周囲を驚かす/ベルリン到着/ホテル暮らし/ドイツ語の勉強に励む
 
第四章 ドイツでの生活 その一
◆『虹色のトロツキー』に描かれた石原像
ポツダムに下宿する/近所の子供たちと遊ぶ石原/西洋と日本の「愛」を論ず/紋付袴姿で人を驚かす/敗戦国の悲惨さを見る/精力的に軍事学研究を進める/民族・人種問題に言及/ 信仰へ邁進する決意
 
第五章 ドイツでの生活 その二
◆宮崎正義と石原
ナポレオンの戦跡を歩く/ドイツの農村への小旅行/ポツダムからシュラハテンゼーに転居/専制から自由へ、自由から統制へ/ドイツに溶け込んだエピソード/石原の死生観/敗戦国ドイツに地獄を見る/里見岸雄の本の独訳作業に奔走/石原の反米意識
 
第六章 ベルリン その一
◆石原の故郷に残る蔵書
ベルリンで知った関東大震災/「最終戦争」の発想の萌芽/ 「甘粕は信念の人、大杉は偉大な人物」/オットー中佐の戦史講義を受ける/映画・サーカス・演劇
 
第七章 ベルリン その二
◆中国ナショナリズムに理解を示した石原
激しいインフレ下のドイツ/ミュンヘン・プッチ/ナチスの動きに対する斎藤茂吉と石原の反応の違い/新しい下宿に移る/減っていった手紙のやりとり/虎ノ門事件/社会民主党の機関紙に里見の本の記事が出る/「法ノ為、国ノ為」——手紙の内容の変化/仏涅槃の法要
 
第八章 ベルリン その三
◆病気がちだった石原
日米外交の危機/ドイツを見る目の変化/結婚記念日、妻に感謝の手紙/イタリア、オーストリア旅行/中国の情勢の不安/殺伐としたドイツの世相/ドイツ滞在もあと半年/シベリア鉄道経由での帰国を考える/エーベルト大統領の死と大統領選挙/ドイツ語能力の高さ/帰国の途につく
 

 
こういう本を待っていました。つい最近この本が出た、ということをきょう知って、読んでもいないくせに思わず目次まで上に挙げてしまいました。留学時代の石原莞爾についてくわしく知りたいと思っていたので、こういう本はほんとうにありがたい。さっそく注文しようと思います。
July 02

さようなら、ピナ・バウシュ(2)

ピナ・バウシュとヴッパータール舞踊団の本拠地である、町の劇場 (Wuppertaler Bühnen) へ行ってきました。
 
劇場の玄関には花が手向けられ、またボードには「ピナ、いままでありがとう」というメッセージものこされていました。
 
僕がここでピナ・バウシュをみたのは去年の6月、新作のプログラムでした。カーテン・コールで舞台にあがった彼女はとても小さく細く、ガラスのような脆さを感じましたがそれは病的というのではなしに、表現のためだけに「からだ」(そこには見ることも聴くことも考えることも感じることも含まれます)をもちつづけてきた人のそれはアーティスティックな結果だと思っていたので、彼女の死は僕にも唐突でした。まだずっとここで、チケットさえとれればカーテンコールの彼女をみれるものと思いこんでいました。
 
こういうことを書くと反発を買うとは思うのですが、僕はピナ・バウシュという人はやっぱりドイツが生んだ人だとおもう。ドイツでなければ彼女は生まれなかったとおもう。そのモノクロームの色調をはじめとして、どんなに装飾的であろうともそのなかにはある種の禁欲主義があったし、どんなに無定形であっても構造への意志があったようにおもい、そこにドイツ的なプロテスタンティズムを素朴に、感じてしまうのです。少なくとも、その表現を無国籍というべきか、インターナショナルな方へひらきながら見てゆこうとしても、えられるものは少ないように思うのです。
July 01

さようなら、ピナ・バウシュ

 
昨日6月30日、ピナ・バウシュがこの世を去りました。突然の死に僕も驚いています。68歳でした。
 
ごくごく近しい者しか、彼女が重い病気を抱えているということを知らなかったようです。各紙、文化面のトップでピナの死をとりあげています。つい先日、ここヴッパータールで2時間ならんでようやくチケットがとれたという話を友人から聞いたばかりでした。ヴッパータールの「顔」であり、同時に世界的な存在でした。
 

ドレスデンの世界遺産

ドレスデンの「エルベ渓谷」が、世界遺産から登録抹消されてしまいました。理由は、建設中の橋が景観を損ねたため。
 
最初の写真で赤ペンで書き入れられているところが建設予定地です。この写真はその現場をクローズアップしたもの。
 
ユネスコは6月25日に登録抹消を決定しました。以前から警告はしていたようです。むつかしい問題です。橋があってもなくても美しいところだと思うのですが・・・。世界遺産ということに頼らずにやってゆくことも大事かもしれません。たとえば、バイエルン州には世界遺産が少ない(←絶対数が、ではありません)。登録されてもおかしくはない遺産がたくさんあるにも係わらずです。聞いた話では、これはバイエルン州が経済的に強いことと観光客が多いためで、「世界遺産なんぞに頼って客寄せしなくてもバイエルン人はやっていけるんだ!」ということのあらわれなのだそうです。バイエルンは保守的といわれますがそれはプライドがあるということなのでしょう。
 
ちなみに! 僕はドイツの世界遺産はかなりの数を訪れていると自負しているのですが(えっへん)、いちばんよかったのは<シュトラールズント及びヴィスマールの歴史地区>です。勝手にベスト3!
 
 1、シュトラールズント及びヴィスマールの歴史地区 (シュトラールズント最高!)
 2、ハンザ同盟都市リューベック              (ブッデンブローク!)
 3、ランメルスベルク鉱山と古都ゴスラー        (ブロッケン山の魔女!)
June 30

序、破、

 
 
エヴァを見に日本に帰りたいです。あと、なぜかさいきん無性にココイチのカレーが食べたい。なんなんでしょうか。同じ研究室のルーマニア出身の女の子が、日本の夏はどうかというので、湿度がすごく高いのでけっこう苦しい、ドイツの方が暮らしやすいと言ったら、ブカレストにくらべたらドイツなんて湿気が多すぎて苦しいよ、とのことでした。世界はひろいなあ。ちなみにブカレストでも夏は35度平気でいくそうです。
 
動画は 『序』、Evangelion 1.01 - You are (not) alone のドイツ語版DVDのトレーラーです。去年の秋くらいだったと思います発売は。いまアマゾンでみたら、19ユーロ95でした。『破』 のDVDが出るのも前回とおなじくおそらく一年後ということになりそうです。ドイツの映画館で公開されるかどうかはまだちょっと確認できていません。